日常的に見られる眼疾患

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眼表面の疾患

ドライアイ

ドライアイは、自覚的な目の乾燥感・涙液の異常・角膜上皮の異常が見られる眼表面の疾患で、眼精疲労や肩こり、頭痛の原因になることがあります。職場や自宅でのパソコン作業タブレット端末やスマートフォンを見る時間の増加など、目を酷使する機会が多くなるにつれ問題になってきています。また、ドライアイに加えてドライマウスの症状が生じる場合は、膠原病のような自己免疫疾患に合併するシェーグレン症候群(SjS)の可能性もあります。
眼表面が乾燥する原因としては、涙液分泌の減少あるいは涙液の質的異常が考えられ、それぞれの原因にあった治療を行います。ω3脂肪酸のDHAの摂取によってドライアイの症状が改善したとの報告もあり、栄養状態がドライアイに影響する可能性も示唆されています。

診断
細隙灯顕微鏡検査、生体染色検査、シルマー試験、口腔粘膜の生検(SjS)など
治療
ドライアイ用の点眼薬、涙点プラグなど
結膜炎

結膜炎

①アレルギー性結膜炎
アレルギー反応の原因となる抗原に接触した際に生じる、かゆみや充血・眼脂を伴う結膜炎で、通年性のものではハウスダストなどが抗原となり、季節性の抗原には花粉などが考えられます。

診断
細隙灯顕微鏡検査、アレルギー検査など

治療
抗アレルギー点眼薬、抗アレルギー薬内服など

②細菌性結膜炎
様々な細菌が感染することで、色のついた眼脂を伴う結膜炎を生じます。感受性のある抗菌点眼を用いて治療を行います。

診断
細隙灯顕微鏡検査、細菌培養検査など
治療
抗菌点眼薬、抗炎症点眼薬

③流行性角結膜炎
アデノウイルスによる感染性の結膜炎で、接触感染により周りの人に感染が広がります。眼脂が多いことと、特徴的な充血・濾胞性の結膜炎が特徴で、流行性角結膜炎を疑う場合はウイルスのチェックを行います。炎症反応が強い場合は偽膜性の結膜炎となったり、結膜炎が治癒した後も角膜に白斑が生じたりすることがあり、周りに感染が広まらないようにする配慮としっかりとした治療が必要です。

診断
細隙灯顕微鏡検査、アデノウイルス検査
治療
抗菌点眼薬、抗炎症点眼薬

④球結膜下出血
結膜の血管が機械的な刺激等によって破綻し、結膜下に出血が生じる場合で、出血の程度は軽微なものから結膜が隆起するほどの出血が生じるものまで様々です。一般的には抗凝固薬などを内服している場合は出血の程度が重篤になる傾向があります。出血は徐々に吸収されるため、抗炎症薬の点眼等で経過観察を行います。

診断
細隙灯顕微鏡検査
治療
抗炎症点眼薬

⑤コンタクトレンズ装用に合併する角結膜炎
コンタクトレンズの使用に際して様々な種類の角結膜炎が生じます。角膜に感染が生じて生じる角結膜炎の原因は細菌やウイルスなど様々で、アカントアメーバ(原虫)の感染による角膜炎は重篤な症状になります。また、コンタクトレンズの長時間の装用により慢性的な結膜炎を生じていたり、2週間タイプの使い捨てソフトレンズでアレルギー反応による巨大乳頭結膜炎が生じたりします。

診断
視力検査、細隙灯顕微鏡検査、生体染色検査、角膜内皮細胞数検査
治療
抗菌点眼薬・抗炎症点眼薬

瞼の疾患

霰粒腫

瞼板に生じる慢性肉芽腫性の炎症で、炎症が皮膚面に及ぶ場合と結膜面に及ぶ場合があります。抗炎症作用のある点眼薬で軽快しない場合は手術的に摘出します。

診断
細隙灯顕微鏡検査
治療
抗炎症点眼、抗菌点眼

麦粒腫

眼瞼にあるマイボーム腺等の分泌腺への感染により発赤・膿瘍が生じる場合で、抗菌点眼や内服薬を投与し、膿の貯留が著明な場合は切開排膿する場合があります。

診断
細隙灯顕微鏡検査
治療
抗菌点眼薬、抗炎症点眼薬、抗菌内服薬

マイボーム腺機能不全

マイボーム腺は眼瞼にある主要な脂腺で、分泌不全や梗塞が生じると涙液成分の構成に影響が生じ、ドライアイの原因になることがあります。麦粒腫や霰粒腫の生じる場所でもあり、最近は瞼を清潔に保つリッドハイジーンが提唱されています。

診断
細隙灯顕微鏡検査
治療
眼瞼の温庵法、抗菌眼軟膏の塗布

眼瞼炎

瞼の皮膚や睫毛、ツァイス腺・モル腺と言った分泌腺に生じる炎症で、ブドウ球菌などの感染による場合とアレルギー反応による場合があります。リッドハイジーンによって瞼を清潔に保ち、抗菌眼軟膏やステロイド眼軟膏が有効です。

診断
細隙灯顕微鏡検査
治療
抗菌眼軟膏、ステロイド眼軟膏

眼精疲労

眼精疲労

眼精疲労の原因は様々で、ドライアイや度数の合っていない眼鏡・コンタクトレンズの使用、斜視・斜位なども眼精疲労の原因になります。また、眼精疲労の症状から緑内障のような視野欠損の生じる病気が見つかることもあり、眼の疲れを自覚される場合は眼科受診をお勧めします。また、最近はパソコンやスマートフォン・タブレット端末などを見る機会が増えてきており、VDT症候群と呼ばれる長時間のディスプレイを見る作業から生じる心身症が問題になっています。

眼精疲労の治療としては原因を特定することと、眼鏡やコンタクトレンズの調整、ドライアイや眼精疲労の点眼薬の使用、ディスプレイ作業時の姿勢の検討などを行い、食生活の見直しやサプリメントの摂取も有効です。

診断
屈折・視力検査、細隙灯顕微鏡検査、生体染色検査、眼位検査

治療
ドライアイ用の点眼薬、眼精疲労の点眼薬、眼鏡・コンタクトレンズの調整、斜視訓練

眼外傷

眼球は外界に露出しているため、瞬目による防御が間に合わない場合、様々な物と接触することがあります。砂ぼこりや鉄片、料理油や洗剤等いろいろなものが目に入ったり(角結膜異物)、野球のボールや他人の手足が目にぶつかったり(鈍的眼外傷)、鋭いものが眼球に刺さってしまうような穿孔性眼外傷が生じてしまうこともあります。

角結膜異物

目に何か物が入った場合は、すぐに流水等で洗眼するのが原則です。また、アルカリ性の物質が目に入った場合、アルカリ物質が持続的に眼表面にとどまり組織障害を生じるため、十分に洗眼した後に眼科を受診して下さい。また、砂などの異物が上眼瞼の裏側についたまま取れなくなったり、感染性の角結膜炎を生じたりすることもあるため、角結膜異物で異物感や充血・痛みが持続する場合は眼科を受診下さい。

診断
視力検査、細隙灯顕微鏡検査、生体染色検査

鈍的眼外傷

眼球に物がぶつかると衝撃の程度・種類によって様々なことが起こります。眼球周囲の眼窩壁の骨折や、それに伴い周囲の筋肉や軟部組織が嵌頓することにより起こる斜視や眼球運動障害、眼球自体の打撲からくる網膜障害(網膜振盪・網膜剥離・黄斑円孔)、眼球内部の出血(前房出血・硝子体出血・網膜出血)、視神経菅の骨折により生じる外傷性視神経症などです。これらの症状の中で最も重篤なのは外傷性視神経症で、眼球打撲後に視力が低下しているようでしたら、速やかに眼科を受診していただく必要があります。また、眼球打撲の後、晩発性に眼圧上昇が生じることがあり、気づかないうちに緑内障になる場合もあるため、前房出血等の重篤な症状があった際は、眼圧のチェックも必要です。

診断
視力検査、対光反射検査、眼位・眼球運動検査、眼圧検査、隅角検査、眼底検査
治療
症状により保存的・観血的治療を考慮

穿孔性眼外傷

眼球に何か物が刺さって眼球の内と外が通じてしまう場合で、眼内に感染が生じると感染性眼内炎を生じます。また、穿孔部位の網膜が傷ついていると、網膜剥離が生じる場合もあります。いずれの場合も重症の眼外傷で、手術が必要になることも稀ではありません。

診断
視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査
手術
症状により保存的・観血的治療を考慮
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